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シールド(盾) 村上 龍 はまの ゆか

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シールド(盾)
村上 龍 はまの ゆか
幻冬舎 2006-03-24
評価

「個」を見つめるダイアローグ ハバナ・モード 村上龍文学的エッセイ集 空港にて 蔓延する偽りの希望

by G-Tools , 2006/08/10


この本は“わたし達の心とか精神とか呼ばれるもののコア・中心部分はとてもやわらかくて傷つきやすく、わたし達はいろいろなやり方でそれを守っているのではないか”と言う仮説に基づいてストーリーが組み立てられています。僕はそういったものは仮説であるというか、本当に誰にでも存在するものであると思います。

わたし達が、普通の人間であるならば何か「守るもの」が必ずあるはずです。しかしながら、それに頼り切る事は危険な事です。大きな集団や権力によるシールドを手に入れる、自分にシールドをはって生きていれば、その支えを失ったときに大きなダメージを受けてしまいます。

わたし達の生きている世の中に、絶対的な理(ことわり)があるでしょうか?

僕は、そんなものは無いと思います。全てが相対的でなおかつ主観的な物の見方ばかりによって世界は構成されていると思います。しかし、それが嫌になったところで一体何ができるでしょうか。

この本の中では、コリーとシェパードの2匹にハンモックに乗るように命令して、コリーは一度失敗して乗れないと言う事がわかりその後命令しても言う事をきかずハンモックに乗る事をやめました。一方、シェパードは飼い主の言うとおりに何度も何度も挑戦しハンモックに乗れないまでも、転げ落ちる前に飛び降りるようになりました。果たしてどちらが頭が良いんでしょうか?それは、受け取る側の主観によって違います。つまり、そのような本質を見抜こうとするのは「無意味な事」であったわけです。

わたし達の世界では「無意味な事」が良く追求されます。わたし達はそのような事ばかりを気にして自分の中で何が自分の核となっているのかを考える事はなかなかありません。核が何によって守られているのか。どのようにして出来上がったのかは、自分で気付くしかありませんがそれがわかったからといって世界が一変するわけではありません。

そして、それは簡単に得られるものではないのです。

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