憲法のあたらしい話
いま何かと注目されている憲法をわかりやすくまとめたサイトがあった。憲法改正で騒がれている中、そもそも憲法とはどんな精神でどんな事柄が書かれているのかを、少しだけ振り返ってみる。
あたらしい憲法のはなし
1947年8月2日に当時の文部省は、同年5月3日に公布された日本国憲法の解説のために新制中学校1年生用社会科の教科書として発行した。「憲法」「民主主義とは」「國際平和主義」「主権在民主義」「天皇陛下」「戰爭の放棄」「基本的人権」「國会」「政党」「内閣」「司法」「財政」「地方自治」「改正」「最高法規」の十五章からなり、日本国憲法の精神や中身を易しく解説している。
みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和二十二年五月三日から、私たち日本國民は、この憲法を守ってゆくことになりました。このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。ところでみなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかゝわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。(全文)
日本国憲法を口語訳してみたら
学生の時に勉強したからと言って、わかっているようで全然わかっていない憲法も、その辺のヤンキーが仲間に話すような感じで口語訳したらどんなことが書かれているかとても分かり易かったという話。
俺らはちゃんとみんなで選んだトップを通じて、うちらのそのガキのまたガキのために、ご近所さんと仲良くして、みんなが好きなことできるようにするよ。また戦争みたいなひどいことを起こさないって決めて、国の基本は国民にあることを声を大にして言うぜ。それがこの憲法だ。
俺らはやっぱ平和がいいと思うし、人間って本質的にはちゃんとうまくやっていけるようにできてると信じるから、同じように平和であってほしいと思う外国を信頼するぜ。その上で俺達はちゃんと生きていこうと決めたっちゃ。
平和を守って、奴隷制度みたいな酷いこととか、偏見とか差別をなくそうとしている世界の中でちゃんと活動したいと思うのね。名誉ある地位っていうかさ、かっこいいじゃん。
その上で声を大にして言うよ。
「全世界の人は、みんな、なににも怯えることなく、飢えることもなく、平和に生きる権利を持っている」ということだ。
この理想は俺達の国だけじゃなくて他のあらゆる国にも通用するもので、このことを守ることは各国の義務だよ。
これに関しては、次のように現在の憲法改正の内容を口語訳してみてネットに載せている人もいます。
自衛権と国防軍保持を明記し、逃亡やスパイ罪での軍事裁判実施にも言及している9条。「おれだってドンパチはやりたくねえ。でも、メンツをつぶされたら、そのときは別だ。やるときゃやるよ」(1項)「一家を構えてたら、兵隊をおくのは当たり前じゃねえか。兵隊が足抜けしたりヒミツ漏らしたら、内々でおとしまえをつけさせてもらうぜ」(2項)つづいて、現行憲法には載っていなかった国民の義務と責任を明記した12条。「自由、自由とかいってけど、誰のおかげでシノギをやれてんだ。渡世の義理ってもんを知らねえのか。この世界、上にさからって生きていけると思うなよ」 最後は、公の秩序に反する集会・結社・言論の自由を制限した21条。 「跳ね上がりは許しちゃおかねえ。そんな連中がつるみでもしたら、すぐに東京湾に沈めてやるから覚悟しとけ」(話題騒然! 憲法をヤンキー調に訳してみたら、こうなった)
変わり種といえば、日本国憲法の出来上がりまでを、Shing02(シンゴツー)という人が、日本国憲法の生まれた過程を[序章] [植民地主義] [明治維新~大日本帝国憲法] [第一次世界~大戦太平洋戦争] [日本国憲法] [現代]という全6章に分けて、なんと22分22秒!!でラップしています。※音源と歌詞が無料配布(特設サイト)
日本国憲法
もちろん、オリジナルも忘れずに!(全文)
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。