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フクロウの彫刻

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木彫り

現在製作中の大人用木椅子のくり抜いた板が余っていたので、奥さんと版画でも作って遊ぼうかと思っていたのも束の間。先日訪れた姫路のファーマーズ・キッチン・イヌイットで見たカナダの先住民族イヌイットのアートに触発されて色々と画像検索していたらフクロウの版画を発見。梟は不苦労だし、福だし、知恵の象徴でもあるので、版画を彫るならこれが良いなぁという気持ちに。※万博公園の民博に保存されているらしい。

そこで、イヌイットのフクロウをモチーフに僕の中のフクロウを木の上に鉛筆で書く。

新太のイメージも重ねてほっぺたはふっくらとでっぷりと。体は太っちょでまあるく。中学校以来で彫刻刀を滑らせてみるとこれが意外と切れ味が良く。気持ち良い。とうとう気が付いたら版画じゃなく彫刻となってしまったのでした。色はコーヒーで着けてみました。

(参考) イヌイット ・ 彫刻刀


Kenojuak(ケノジュアク・アシェヴァク)さんについて

元々、姫路のファーマーズ・キッチン・イヌイットで見たカナダの先住民族イヌイットのアートが忘れられなくて、インターネットで検索していくつかお気に入りを見つけています。使い古したまな板とか良い感じの古材とか手に入ったら、飾るようにコソコソと写して掘っています。

数年に一個のペースではありますが、このKenojuakさんの作品がどれも僕の琴線に触れるようで、どの作品もなぜか深く心が動く感覚になります。日本語の資料はそんなに無いようなのですが、英語のwikipedia翻訳したものところによると。

Kenojuak Ashevak(ケノジュアク・アシュバク)は、バフィン島の南海岸にあるイキラサックのイヌイットキャンプのイグルーで生まれるという過酷な環境での生活を営んでいたようです。彼女の名前は、母方の祖父にちなんでおり、名前を受け継ぐのは縁起が良いようです。父親は彼女が6歳の頃に、当時キリスト教の改宗者といざこざがあり狩猟キャンプで暗殺されたという壮絶な過去があります。その事件で家族は引っ越しを余儀なくされ、伝統工芸などの手工業で生活をしていたようです。なんと悲しい話。

その後19歳の時に、親が決めた結婚相手と結婚。最初は乗り気じゃなかったそうです(そりゃそうです)。が、結婚相手の「地元のイヌイット ハンター」ジョニーボ アシュバクさんはすごく優しかったようで、愛が深まっていったようですので、本当に良い相手と巡り会えてよかった。

その後、結核が判明して3年間も隔離されてしまい、その間に子供たち何人かが亡くなってしまいます。その後も彼女の子供や孫の多くは病死で亡くなってしまったようです。僕には到底想像もできないような、なんとも厳しい世界に生きていたのですね。

その一方で、Kenojuak Ashevak は、ケープ ドーセットで絵を描き始めた最初のイヌイット女性の 1 人になりました。彼女はペンを使用した作品や、さまざまな絵の具を使用して作品を作りました。また、ソープストーンという日本では滑石(かっせき:硬度が極端に低く、モース硬度1の基準となる物質で人の爪よりも柔らかい)ものから多くの彫刻を作成し、何千ものドローイング、エッチング、版画を作成したというのですから、芸術活動は昇華だったのかもしれません。

そんな彼女が膨大に残した作品に触れて、彫刻してみたいなという気持ちになって、模倣することは大変恐縮なことだけど、彫れば彫るほどに彼女の作品がより遠くに感じる。そんな気持ちになっています。彼女が残した言葉で“I am just concentrating on placing it down on paper in a way that is pleasing to my own eye, whether it has anything to do with subjective reality or not.”というものがあり、あくまでも自分が楽しめるかを通すという芯が見えます。それだけは、誰にも変えられない自分のスタイルで、これからのスタイルでもあるということ。信じていたのかもしれません。